こちらのブログ、ずっと放置していました。年始に少し画廊巡りをしたので、久しぶりの更新です。
横田紗礼ドローイング個展「雑魚界代表」
横田紗礼さんのドローイング個展、雑魚界代表にお邪魔してきました。
横田さんとしてはドローイングメインの個展は初めてということでしたが、今までの個展でもミニ原画やドローイングなど、1万円でお釣りが来るような、「絵が好きだけど、作品にはなかなか手が出せない」という人のことを考えた企画をしてくれていました。グッズや図録類も用意してくれていて、貧乏人の味方になってくれる作家さんです。
今回の展示は、2021年10月17日から2022年1月4日にかけて描いた80枚のドローイングが展示されています。この日数で計算すると、日数=枚数で、1日1枚描いた計算になります。実際にはそんな単純ではなく、複数枚描いた日もあるようですが、そこらへんはタイトルに日付が入っているのでネタばらしされています。
場所は白金高輪と広尾の間にあるArt Gallery Shirokane 6cという小さなアートギャラリーです。広尾の駅を降りると、ネイティブイングリッシュがバンバン耳に飛び込んでくるおしゃれな街で、行く途中に慶応幼稚舎などもあってビビりますが、画廊のある場所は古くからある住宅街で、ホッとする雰囲気の場所です。
ずらりと並ぶドローイングは圧巻。会期は1月9日から23日となっていますが、初日の9日で既に1/3ぐらいは売約済みの赤丸が付いていましたので、会期最後の方に行くとほとんどお目当ての作品は売れてしまっているかも知れません。
80枚80通りの味
当然1枚づつ手描きの原画ですので、1枚づつテイストが違います。流れとしては、
- 日が進むにつれて、雰囲気が変わる
- 同じ日に複数書いているものは、対になるようなコンセプトが有る
という感じなのですが、作家さんも感情の起伏がありますので、それにつれて、厳しい顔が多い時期や優しい顔が多い時期があって面白いです。「あたしも生身の人間なんだよ」って主張しているような気もします。
前半の方は比較的色数も多くてきっちり描いた画が多いですが、後半はスケッチブックにペンでサラッと描いて水彩絵の具でサッと色を入れた画が多くなります。1日1枚のノルマに追われて時短をした結果とも言えますが、迷いなく短時間でかきあげた線はまた違う趣があり、これはこれで良いと思います。
最後の方には色鉛筆の画もあります。ペン画が多いですがその他の手法も多いです。画の雰囲気も本人がわざと画風を振ったものと、自然に振れているものがあってまとめてみていると面白いです。数少ない垂れ目の童顔の子は意識して描いているそうで、元々横田さんはキツイ目線の吊り目推しの方です。本人が意識しないで画風を振った作品の中にはそんな吊り目でも優しい目線の子がいます。
作者とツーショット
帰りがけに他のお客さんがいなくなったので、作者とツーショットの写真を撮ってもらいました。
雑魚界代表は1月23日までやっていますので、お近くに御用の有る方はぜひ足を運んでみてください。
場所は冒頭に貼ったギャラリーのサイトに載っています。
アートのチカラ展
毎年、年をまたいで新宿伊勢丹で開催されるアートのチカラ展、新進作家が大挙して出展するので毎年見に行っています。
花菱慧さん
花菱さんはもう新進作家の枠を超えて中堅の方です。今回の作品では、下段の女性の画が優しい表情が素敵でした。
新家未来さん
新家未来さんは、優しい雰囲気と淡い色使いが癒やしをくれる感じです。
オギハラフウカさん
オギハラフウカさんのこの作品は、秋に開催されたKENZANにも出展していました。イラストのテイストの強い、ちょっとサイバーな感じもするポップで素敵な画です。
むらまつちひろさん
むらまつちひろさんは、去年1年で風格と言うか貫禄が付いてきた気がします。構図と線の安定感なのでしょうか。彼女も既に新進作家というより、中堅、というより独立した作家さんの仲間入りしているように思います。多分、これから益々活躍されることでしょう。
美人画の系譜
最後は池袋西武でやっていた美人画の系譜展。ここでは丁子紅子さんや川口絵里衣さんの画を展示していました。館内は写真撮影できなかったので外からの写真だけです。
百貨店のアートギャラリーは落ち着いた雰囲気と広い空間が心地よく、ゆっくりと画を楽しむことが出来ます。
丁子紅子さんは、1月12日から、アートのチカラ展をやっていた新宿伊勢丹アートギャラリーで個展を開催します
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