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川口絵里衣個展 とりどり

9/18の土曜は、台風が近づいて、時々激しい雨が降る日でしたが、銀座で開催されている川口絵里衣さんの個展を拝見してきました。

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川口絵里衣個展 とりどり

川口絵里衣さんは7月末の北本晶子さんとの二人展で絵を拝見した後、8月末の丁子紅子さんとの二人展で、絵とご本人にお会いした経緯の作家さんです。古くから追いかけているわけではなく、古くから追いかけている作家さんとの二人展で知り合った作家さんです。

www.art-and-walk.tokyo

 

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絵描きさんと一口に言っても、日本画、アクリル、水彩、油絵など、画材や手法で色々なジャンルがありますが、川口さんはペン画のカテゴリーになります。つけペンやロットリングが画材のメインになります。

今回は色とりどり

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今回の個展のタイトルは「とりどり」ですが、おそらく「色とりどり」という意味なんじゃなかと思います。川口さんの絵は今までは黒いインクだけに彩られたモノトーンの絵がメインだったのですが、今回は背景や衣装に色がついています。僕はにわかなのであんまり違和感ないのですが、古くからの川口さんの追っかけの方は、新鮮だったのではないでしょうか。

それぞれの彩り

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色が入ったと言っても、使われる色は1色か2色。それぞれの絵のテーマカラーのようになっています。一色でも色が入ると、絵の印象が強くなります。人の目は色彩の強いところと、人の顔に向くようになっています。川口さんの絵を見る場合、衣装などの色が入った所に目が行こうとする所に、顔の中の目に引きつけられるので、一瞬どこを見れば良いのだろうという混乱に陥ります。そんな不安定さもまた楽しいです。

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こちらは同じ構成で描かれた4枚の絵。それぞれテーマカラーが異なっています。モデルさんもそれぞれ別の人なので表情や顔の強さも違い、背景の色の強さも違うのでかなり印象が違うのですが、それでも4枚の絵を通した統一感があります。

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上の右側の絵は、背景が黒なので、モノトーンなのですが、4枚並んでいると、モノトーンではなく黒という色を背景に使っているように見えます。

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こちらの絵はアクリル絵の具を大胆に使った色彩豊かな作品。色の海の中に、あえて髪も黒く描き込まない、白く浮き上がった無色彩の人物が浮かび上がるという、不思議な感覚になる絵です。

モノトーンの絵も圧巻

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モノトーンの絵も何枚か展示されています。モノトーンの絵はすべて衣装のディテールの描き込みが凄く、色彩はありませんが質感が溢れています。特にレースの透け感や布の硬さが伝わってきます。

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こちらは、鳥や花や蝶と人物の立体感が良くでています。立体感を確かめようと視点を変えると、画材に使われている銀粉の反射によって様子が変わるというなかなか手の込んだ作りになっています。

川口さんの個展は9/19の17:00までなので、ここまで読んでいただいた人で、まだギャラリーに行ける人は殆どいないと思いますが、もし、夕方までに銀座に行ける人は、原画を見ていただきたいと思います。

Radical Histeria Hour

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もう一つ、北本晶子さんが出展しているグループ展、『Radical Histeria Hour』が渋谷駅前のスクランブルスクエアで開催されています。こちらは9月30日までなので、まだ余裕があります。

北本晶子

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北本晶子さんは大作の新作2点と、過去展示した作品3点を展示しています。こちらは30号(90cm四方)のhivesという作品。hivesは蕁麻疹ですね。北本さん、最近蕁麻疹がよく出るのだそうです。自分の中から出てきて、寄生したもののような、ドロドロしたピンクのものと一体化したなにかです。猫が威嚇しているので、猫にはこのドロドロが見えるのでしょう。ドロドロはぬいぐるみのくまを優しそうに抱いているので、きっと見た目ほど心はドロドロしてはいないし、少女と共生しているのでしょう。

embarace

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もう一枚は50号(1.2m四方)のembalaceという作品こちらは抱擁という意味ですね。現在北本さんがTwitterのアイコンで使っている絵を反対側から見たような構図ですが、真っ二つになった顔の前で抱き合う二人と、極楽浄土のような雲、割れた顔から迸る光背のような光、仏画のようなテーマが並んでいるけど、テイストは全くそんな感じには見えない不思議な絵になっていました。

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その他、前回の川口さんとの二人展で展示されていた絵も再登場しています。

ミヤタナナ

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他の作家さんではミヤタナナさんのポップな色使いの絵が印象に残りました。

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ポップの画風の中にも、不安定さや不安感が織り交ぜられた絵になっています。タイトルもSNS怖いよ、とかinsaneとかなので、感じた感覚は多分作家さんが狙ったところとそんなにずれていないのでしょう。

その他のギャラリーレポ

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