久しぶりの銀座奥野ビル、二人の方が個展を開催中でした。それぞれ持ち味の違う展示を拝見してきました。
高久梓個展 QUALIA
高久梓さんのプロフィールです。
高久 梓(Takaku Azusa)
東京都出身
2018年女子美術大学美術学科日本画専攻 修了卒業後展示活動を始める。
人物をモチーフに日本画作品を制作。少年少女時代の一瞬の煌きや、日々の何気ない思想や光景をテーマに岩絵の具を使って表現している。
高久 梓個展「QUALIA」 Azusa Takaku 1st Exhibition | モダンアートプロデュース
まだ、美大を卒業して2年目の新進気鋭の日本画家です。ちょっと前までは織部梓を名乗っていましたが、今年の夏ごろに改名をしました。改名の頃から、画風が変わったように思います。
展示作品から
在廊されていた高久さんに許可を頂いて、展示作品の写真を撮らせていただきました。以前は非常に淡い色彩で、儚く消えそうなタッチで描かれていたのですが、今回の作品は一転して力強いはっきりしたタッチで描かれている作品が多い気がします。
描かれている少女の目線も力強く、自己主張しているように見えます。
こちらはポーズに動きのある絵、右の赤い衣装の美少女画は、金箔をあしらっています。金と赤のコントラストは蒔絵のようです。
こちらの絵のタッチは以前の作品に近い感じです。こういう淡いタッチの作品も飽きがこないので、部屋に飾って長い間見るのには良いと思います。
こちらは今回の展示では最大のサイズを持つ作品。大きさから来る迫力か、見入っていると引き込まれます。そして、少し見る角度を変えると表情が変わって見えてくるから不思議です。
これは今回の展示の中では唯一少女を題材にしていない絵。静けさの中にも生命力を感じさせます。
高久梓さんの個展は12月21日土曜日まで、銀座一丁目奥野ビル二階の一兎庵で開かれています。
Samille個展
場所を変え、六階のギャルリーラーにお邪魔しました。こちらではイラストレーターのSamilleさんが個展を開いています。
Samilleさんはファッションイラストレーターとして、国内外で活躍されています。プロフィールはこちらからご覧ください。
今まで、Twitterもフォローしていなく、予備知識が全くない中で作品を拝見しましたが、予期していた以上に充実していて、見た後の満足感が非常に高かったです。
展示作品から
在廊されていたSamilleさんに許可を得て、写真を撮らせていただきました。ニューヨークの街の雰囲気を感じさせるシンプルだけど街の風を感じさせるような絵が並んでいます。
少ない線で描かれていますが、1本1本の線が緻密に計算されているので、作品としてみるとすごく密度の高い作品に見えます。それでいて近くで見ると1本づつの線のタッチが感じられる描き方になっていて、こんな所から風を感じられる作品になっているのでしょうか。
街の風景をそのまま切り取ってきたような絵も並びます。でもモデルの男性はファッション誌から抜け出してきたようにおしゃれです。
喫茶店に飾ったら店全体が一気におしゃれな雰囲気になりそうです。
風景を描いた作品は一転して細かい線が緻密に描かれています。臨場感のある絵になっています。
一方で、日本の和の風景を題材にした作品もありました。こちらは詫び寂を感じさせるような、少ない筆遣いで描かれた風景です。シチュエーションによっていくつもの描き方が出来る方なんですね。個展でありながら、数種類の魅力が一所で堪能することが出来ました。
Samilleさんの個展も21日まで、銀座一丁目の奥野ビル六階のギャルリーラーさんで開催中です。
その他ギャラリーレポ