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山崎文庫 妄想装画展

六本木のBar山崎文庫で開催された、画家が自分の好きな本の装画を作成するという妄想装画展を見学してきました。

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妄想装画展 

企画は毎年2回ぐらいモダンアートさん主催で開催されています。今までは銀座奥野ビルの銀座モダンアートで開催されていましたが、最近は奥野ビルの他の画廊やこの六本木の山崎文庫で開催されることが多いです。

今回、最終日に近い日程で見学したため、既に展示期間が終わっています。

原画と、文庫本の装画を展示

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展示は上段に原画、下段に原画を装画にデザインして題字を入れた文庫本の表紙が並ぶというスタイルを取っています。

草野水樹さん

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草野水樹さんは角田光代さんの八日目の蝉と内田百閒のノラやを題材にしていました。ほかの人は中の本が別のものだったりする中、草野さんは実際の本を使い、裏表紙の短評まで記載されていて、細かいところまで気を使っていて完成度が高かったです。また、原画では猫の毛や女の子の髪の毛が1本づつ書き込まれていて、すごく細かいのですが、文庫本の表紙の印刷でもちゃんと潰れずに表現されていて、かなり苦労の跡がしのばれます。

赤崎りおのさん

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赤崎りおのさんは草間彌生さんの無限の網、無限の網のフォントが網目になっていて凝っています。赤崎さんの絵は肉感的な裸婦を題材にすることが多いように思います。この本は草間彌生さんの自伝だそうですので、波乱に満ちた人生を表しているのでしょうか。

ろまんさん

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ろまんさんは岸見一郎、古賀史健による嫌われる勇気、これは小説ではなく、アードラー心理学の本なのですが、ろまんさんのツイートを見ていると、心無い周りの人の中傷を受けるところを見ることもあるので、この書を選んだ気持ちが少しわかります。

綾坂璃緒さん

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綾坂璃緒さんはジョーンリンジーのピクニック・アット・ハンギングロックと恩田睦さんのユージニア。彼女は今回みたいなちょっと冷たい視線の女性を描くことが多いように思います。本については両方とも読んだことがないので、何を題材にしているのか良く分かりませんでした。本を読んだことがある人なら、もっと入り込めるのではないかと思います。

森田悠介さん

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森田悠介さんはジョルジュ・バタイユの眼球譚とドストエフスキーの白夜でした。眼球譚の絵の紙は何かの印刷物の裏を使っているようで、活字が透けて見えています。小技が生きています。

むらまつちひろさん

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むらまつちひろさんは松本清張の天城越え。短編小説ですが、映画化やドラマ化もされています。時代背景は大正十五年という事なので、その頃のしっとりした女性が描かれています。

吉森百子さん

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吉森百子さんは辻仁成さんのサヨナライツカ。主人公の相手となる謎の女性を描かれているようです。映画では辻仁成と結婚しその後離婚した中山美穂さんが演じた役です。寂しげで影があり、魔性を秘めた女性が良く描かれていると思います。

寺野葉さん

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寺野葉さんは重松清さんの季節風 秋。短編小説集らしいので、どの物語のどんな人をモチーフにしたのかわかりませんが、こちらを見つめる瞳のまっすぐさが印象的でした。瞳の光をすごく自然に描いていて、心に響いてきます。

いつもなら会期前半に紹介ブログとしてリリースするのですが、今回は会期終了してしまいました。また半年後ぐらいに開催されると思いますので、その時を楽しみに待ちましょう。

その他のレポ 

www.art-and-walk.tokyo

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